
『内容的に前進と後退あり』
小峰氏の著書を含め宿曜占星術に関する本を何冊か所有しているが、今回の版は、この占術の歴史的・理論的背景に関する記述や幅広い応用法などが記されていて、充実した内容となっている。ただし、気になる点が幾つかあって、例えば各宿の「性格と運命」の項などは、以前のこの著者の著作である「決定版 宿曜占星術」と比較してみると、基本的に書かれている内容は踏襲されているものの、それぞれの宿の持つ欠点などネガティブな側面により記載が傾く内容となっている点が目につき、残念な気がする。私は占いの専門家ではないが、占いというものは人に弱点や短所の克服の機会を与えつつ、同時に気付かずに過ごしているかもしれないその人の長所を養い育てるところに意義があると思っている。それに、原典を根拠として掲げながら、その内容を必ずしも忠実に反映しているわけではないように思われるところも散見される。正か負のいずれかの方向に極端に偏ると言った具合に。しかし、もしかするとこれは監修者である小峰氏の問題ではなく、編集段階に問題があったのかもしれないが。また、ざっと見て、誰にでも分かる明らかな間違いも幾つか存在する。例えば、代表的人物例の部分で、王貞治氏は房宿と井宿の両方に名前が挙がっているし、先の著書ではビートたけし氏は女宿の典型的人物として紹介されていたのに、この本では昴宿に名前が引用されている。もしも本人がこの本を手にすることでもあれば、この本への信頼を失うことになりそうだが…。